【レビュー】『木暮荘物語』 三浦しをん
2015.02.05 10:00 | コメント(0) | 読書感想文
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変態ばっか!
どうも、さつきさんです。
この度「読書感想文」カテゴリを作ってみました。
もともと小説を読むのが好きだったのですが、ここ2年ほどあまり読めてない状態でした。
昨年末に引っ越したことで通勤時間が大幅に延びたので、読書も再開。
少しずつ紹介出来たらな、と思います。
さて、記念すべき第1回は三浦しをんさんの木暮荘物語です。
友人に勧められて今作品で初めて触れる方なので、聞きかじった印象となります。
- 三浦しをん
- 小説家・随筆家。
『まほろ駅前~』シリーズや『舟を編む』の著者。
世にあまり知られていないような職業を題材にすることもあり、ニッチなジャンルを好む印象。
「有川浩さんが好き」と友人に伝えたところ、勧めてくれました。
まだよくわかりません。
これから作品を通じてお知り合いになっていきます♪
あらすじ
まずは作品の簡単な紹介。- 木暮荘物語
- 学生時代から住み続けている女性、覗きが趣味の男性、
覗かれていてることに気付きながらも変わりなく過ごす大学生、
ふとしたことをきっかけに性欲を持て余す大家・・・。
多種多様な人間模様が年期の入った『木暮荘』をベースに展開されていく
はい、こんな話です。
主観がどんどん変わっていく、オムニバス的な作品です。
各章が完全独立かと言うと、まったく独立した事象が展開していくわけでもないです。
ただ、オチですべてがひとつにというような内容ではありません。
いわゆる日常系。
感想(ネタバレなし)
とても読みやすい文章で、スラスラ読めてしまいます。
ページ数も多いわけではないので、ハマると読み終わるまでにそう時間はかからないと思います。
全体として『性』がテーマとなっているため、そういった描写も少なからずあります。
露骨な表現は無いにしろ、こうした描写や題材が苦手な方には少し辛いかもしれませんね。
冒頭のお話からアクセル全開で展開されます。
読者が思わず置いていかれそうなテンポw
三浦しをんさんの入門書としては・・・
他のメジャーどころから入ったほうがよさそうな気がしますw
これについては、私自身もまだ読み比べられてない状態なので、何とも言えません。
ただ、今の私のイメージは「三浦しをん=性欲の人」になっちゃってますw
登場人物のキャラが総じて濃いので、印象に強く残る作品だと思いました。
テーマを度外視すると、万人に受け入れられる作品じゃなかなあ。
感想(ネタバレあり)
ここからは、本編の内容に触れます。
未読の方はお読みにならないことを強くお勧めします。
→ネタバレを了承し、続きを読む繭の三角関係
のっけから先制パンチを食らった印象ですw
とにかく
並木のキャラが濃い。
でも彼の性に対する価値観については強い信念を感じますね。
言い換えれば、
機会が回ってきたにも関わらず、逃してしまったことについての言い訳
にも聞こえなくはないですがw
冒頭のシーンはベッドの上から始まりましたが、
繭の声は
神﨑には聞こえていなかったのかな?w
木暮のパートナー探し
この辺はよくわかりませんが、男性は性欲が枯れないものなんですかね。
あーだこーだ試行錯誤する
木暮おじいちゃんが可愛くも可笑しかったですw
それよりも
光子のとっさの機転は素晴らしいですね。
この子は絶対賢い。
駅のキノコ
こちらは少し
木暮荘からは離れたお話。
シチュエーションがシチュエーションなので、なんとなく
仁義なき戦いタッチで脳内再生されてましたw
少しSFチックなお話。結局キノコはなんだったんでしょうね。
私もこんなの見つけてしまったら絶対気になるw
内容としてはかなり好きなお話。
黙ってプードル散歩させてるいかついおっちゃんってすごい絵柄ですよね。
旦那の浮気
作中で一番好きなお話。
繭のお話にも出てきた、花屋さんの
佐伯さんとその旦那さんのお話。
旦那さんは、私だったら絶対選ばない類の人種ですね。
イメージは
どうぶつの森に出てくる喫茶店のマスター。
私は無口な人が正直少し苦手ですw
二人きりとかにされると何していいかわかんない。
「こちらが察するのを期待して待つのはやめてくれ。
言葉で伝える努力なしに、安穏と日常を送ろうとする怠慢のツケを払ってくれ。」
これが、この本のなかで一番刺さった言葉。
佐伯さんの渾身の悲鳴を書き出した秀逸な文章だと思いました。
あと浮気についてですが、私は
絶対に許容できませんw
天井の覗き穴
はい、出ました。
純度99%の変態
1%抜いたのはきっかけが偶然だったからです。
なんなんでしょうね、この奇妙な関係は。
そして
光子はいつから気付いてたんだろう。
光子に穴塞がれてしょんぼりしてる
神﨑はちょっと可愛いと思いましたw
光子と乳児
胸中穏やかでないお話。
何、最近の学生ってこんな緩いの?
話のテーマも結構デリケートでしたね。
あの親に育てられるんであれば、
はるかの将来が心配です。
でも子供を引き取りに来たときの対応からは少し心境が変わったかな?という印象を受けましたね。
並木とニジコのお話
結びと締めが
並木なのが「いいな」と思いました。
最初のお話の時の
並木から心中が変化していますね。
過去が吹っ切れるようになるまではかなり時間かかりますよね。
でもそれも意外なことがきっかけで前に進んだりもします。
『九鬼クッキング』の件を回収する必要があったんだろうかw
総まとめ
いろいろな登場人物が出てきますが、
お話が変わるたびにいろんな角度からいろんな人を発見できて面白かったです。
全体をつないでいる『性』というテーマに関しても、
書き手によっては
濃厚な官能小説になってもおかしくないのですが、
とても爽やかに読める印象ですね。
どちらかというと、人間が普遍的に持っている潜在的な欲望というような印象でしょうか。
なんというか
エロというよりは
三大欲求の1つに対する考察に近い感じ。
ただ「セッ○ス」や「○起」などのワードがページにちりばめられているので、
電車の中で読み進めるのはなかなかドキドキでしたw
こんな感じでいいかな。
だらだらと書き並べてみました。
もう少し纏まりのある文章にしたいなあ。
それでは今回はこの辺で。
閲覧いただきありがとうございました。
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